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原料について
オークは欧州では「The King of The Forest」と呼ばれています。ただ、オークと言っても、その品質は様々です。 良質のホワイトオークはフランス・ドイツ産ですが、多くのフローリングメーカーでは、コストを下げる為、木目の粗いロシア産や中国産を使用する事があります。 フランスの森は、最高級のホワイトオーク材を育て、樹齢100年、長いものになると200年になるものもあります。 私たちGROBは、その最高級産地の原料を使い、最高級のプランクフローリングをお届けします。

構 造

もともと木材は大きく伸縮する性質があり、その宿命からは逃れられません。生の木を乾燥させる工程で、長さ方向の伸縮は僅かですが、幅方向に関して長さに対して10倍の縮み(逆にその後、含水率が上がった時は伸び)が発生します。

無垢フローリングは貼った時点では美しいのですが、その後の含水率の変化で、宿命的に伸びや縮みが大きく出てしまいます。特に、折角コストを掛けた幅広の立派な無垢フローリングの場合、幅方向の収縮がより大きく出てしまうという悲劇をしばしば目にします。

一方、プランク(挽板)の土台に関しては、合板が使われる事が多々あります。合板そのものは、安定した品質です。木の伸縮の特長を利用し、単板(ベニア)の繊維方向を交差して接着する事で、合板は品質を安定させています。しかし、その安定した合板に厚単板を接着する行為は、均等に繊維方向を調整され安定していたものを壊し、伸縮作用が再び働く事となりかねません。 GROBはその問題を回避する為、ヨーロッパで発案された方法を取っています。

コアの部分を合板ではなく、プランクと同じ広葉樹系のランバーコアを使用し、バックに広葉樹のプランク又は、ベニアを貼り、繊維方向を交差させる事で、全体を安定化させています。伸縮しない木は有りませんが、その挙動を出来る限り小さくしていく知恵がその技術にはあります。

プランク(挽板)と突板(スライス単板)

プランクは鋸で切り出したものを言います。その際、鋸が通る場所はおがくずとなり使い物になりません。当然、歩留まりが落ちる事になりますが、GROBはその鋸で挽くプランクにこだわっています。

一方、突板はロータリーレース(丸太を桂向きし、単板を作る機械)で、ナイフを使って突板(単板)を生産します。おがくずも出ませんし、スピードも速く生産性が上がります。実はここに、問題があります。木をナイフで切るというのは、厳密に言うとナイフで木に強い圧力を掛ける事で、木を割りつつ、単板を木から剥がしているという現象という意味です。その結果、突板は細かい割れが発生する事となります。

プランクと突板を顕微鏡レベルで比べてみると、その差は歴然としています。プランクは表面が滑らかですが、突板は割れが入り凸凹の状態です。この品質の差は、フローリングの接着力に大いに関連しており、剥離や弱接着の問題を左右します。その意味で、GROBは最高級品質を維持する為に、プランクにこだわっています。

各シリーズ

CARBON (カーボン)

ウイスキー樽の生産工程に、CHARRING(チャー)というのがあります。 文字通り樽の中を黒焦げにする作業です。 焦がし方により、ライト・ミディアム・アリゲーターとあり、ライトは甘くなり、深く焼くと強い味わいへと変わります。 フローリングのCARBON加工とは、その技から派生したものと言われています。 樽の様に焦がす訳にはいきませんが、酸素を遮断した状態で加熱し、軽い炭化状態にする事によりCARBON加工としての独特の色合いが生まれます。 炭化に導くことで、木の形状を残したまま高耐久なフローリングとなります。色彩はブラウン~ゴールド系に変化。 GROBでは、ライト・ミディアム・ディープの3種類に分ける事が可能で、更に表面にクラフトを施し、多様な表情を作ります。

FUME(FUME:煙・燻製・いぶし)

  オークは生活の多くの場面で使われてきましたが、馬と暮らす欧州・北米では、厩舎のオークで作られた床の色が、黒く変色する事を長く知っていました。 アンモニアに反応するオークの特長ですが、なかなか味わい深い色をしています。 FUME加工とは、その特長を生かし、アンモニアと高圧の燻(いぶし)加工を施し、色彩をグレー・黒褐色へと変化させ、重厚な質感となります。 色の濃さは、ライト・ミディアム・ディープの3種類に分ける事が可能で、CARBONシリーズと並びGROBの個性派プランクフローリングです。

NATURAL

木味をそのまま活かした、昔から今に伝わるまでの定番アイテムです。GROBでは、 ホワイトオーク、ブラックウォールナット・チークなどの表面に様々な加工を施す事で、より個性が際立ち、オリジナルな質感がご提供出来ます。

熟練工の様々な技により、CARBON・FUME・NATURALのフローリングの表面を加工します。以下に、代表的な加工技術を説明しますが、組合せは多種多様であり、更にお客様のご要望により、オリジナルフローリングの製造も可能です。

Handscrape(ハンドスクレイプ)

フローリングの表面を彫刻刀のような刃物により、“人の手”で丁寧に彫っていく事で、表面を波打ち状に加工します。 機械作業のフローリングメーカーが殆どの中、GROBは人の手での作業にこだわります。 不揃い美、と言われますが、機械とは違う味わいを出すことが出来ます。 ハンドスクレイプが作り出す木漏れ日の様な光と影は、見るものを幸せにします。 また、素足で歩くと、これまで無かった特別な感触を楽しむ事ができます。実は、かなり重労働なので、一人の職人で作業できる時間は限られていますが、GROBはやはり人の手で作業する事を大切にしています。 彫刻刀は3種類あり、細目・中間・太目の波が選べます。

Circular Saw Mark(サーキュラー・ソー・マーク)

丸太から製材を切り出す際に、その表目に残る丸鋸の切り跡。 何となく懐かしい表情ではないでしょうか。古い建築物や古民家を見た時に、私たちも気づかないうちに、目にしていた古い鋸の跡。その風合いを今に蘇らせる加工です。

Brushing(ブラッシング)

Brushing(ブラッシング)

つるつるした表面もよいですが、ブラッシングする事で、柔らかい部分が削られ、表面上に隠れていた表情が表れます。 木目を際立たせ、木の感触と風合いが更に増します。ライトとディープの2種類により、表面の溝の深さを選択出来ます。ハンドスクレイプ加工と併せる事で、より質感の高いフローリングへと昇華します。

Band Saw Mark(バンド・ソー・マーク)

Band Saw Mark(バンド・ソー・マーク)

丸鋸の跡と同じく、帯鋸の跡も素朴な味わいを出すことが出来ます。丸鋸の跡が良いか、帯鋸の跡が良いか、悩みは尽きませんが、空間に対してこだわりの選択が可能となります。

Hand Damage(ハンド・ダメージ)

針金のような工具で、意図的に表面に傷をつける作業です。 細かい傷が、まるで時を経て来たかのような風合いとなり、アンティーク調の家具や家とマッチします。

White-OIL処理

Finishingの一つですが、Oilを白色系にする事により、フローリング全体を少し白~グレーにする効果があります。特に、アンティーク調にする際には効果的な処理であり、欧州・北米でも非常に好まれている加工です。

Finishing(仕上げ)

Natural Oil。日本でもいよいよ人気が出てきたNatural Oil仕上げ。自然な風合いにこだわりたい方には是非使っていただきたいオイル仕上げです。木が持つ質感を最も正直に、そして味を出します。

OIL(UV)。Natural OilをベースとしながらもUV仕上げにする事により、表面上の強度が上がります。 Natural Oilと比べると、お手入れの手間が大幅に軽減されます。

それでも木孔はNatural Oil同様に埋まる事が無いので、木味はそのまま楽しむことが出来ます。

Matt Lacquer(マット・ラッカー)。ラッカー仕上げですが、Matt(艶消し)にする事で、Oil仕上げに近い風合いとなります。表面の耐傷性・耐久性は格段に上がりますし、日々のメンテナンスは大幅に軽減される事となります。

こだわりと用途により、お好みのFinishingを選択する事が可能です。

エンジニアリングフロアー

エンジニアリングフロアーとは何か?という疑問もあると思います。無垢フローリングに対比しての言葉ですが、これまでの日本のエンジニアリングフロアーは、合板を基材にし、表面に0.5mm以下の薄い突板、又はシート(ビニールの様なもの)を貼るのがほとんどでした。

本当は無垢を使いたいものの、幅広・長尺にすると価格が高くなり、そこに特殊な加工などを入れるとそれこそ急激に価格が上昇する。品質安定性の面では、無垢はどうしても反る・縮む・伸びるという宿命から逃れられない。メンテナンスにも時間を割く必要がある。

また、世界の木材資源の蓄積量からすれば無垢材で贅沢に厚く、幅の広いフローリングを取る事も難しくなる。 その難問に応えるのが、欧州生まれのプランクフローリングです。GROBは、フローリングにより、無垢の質感を維持し、幅も広く、そして長い材を取る事が可能となりました。更に表面の加工の自由度も高め、同時にエンジニアリングフロアーとしての製品安定性も得ることが出来ました。

エコな話し Vol-1「幾世代を超えて」

「でも100年を超える木を切るのが何故エコなの?」と疑問を持つ方も居らっしゃると思います。 GROBのプランクフローリングは、全て植林木を使用しています。欧州産オークは、お祖父さんお婆さんか、またそれ以上前から時間を掛けた植林木であり、伐採後再植林されて、更に100年を待ち、その後もまた100年と続いていきます。また、フローリングの基材(コア)の部分で使われる木材も同じく植林木で、これは里山の森のような形で植えられています。 木は成長すると、ある段階で二酸化炭素と酸素の排出がほぼ均等になります。勿論、残すべき古木や天然林は別の話しですが、一方住居や商業施設に関わる部分に関しては、出来れば自然に負担を掛けたくない。ある程度の成長を経た後、住宅の一部になる事で二酸化炭素を固定化し、カーボンニュートラルな状態を維持出来ます。とはいえ、その植林木も貴重な資源であり、無限ではありません。エコロジーと人々の住生活を調和させつつ、高い品質のフローリングをどう維持していくかと考えた時、GROBは重厚なプランクを活用していく事が、自然と一番調和すると思いました。 サステイナビリティーを当然の様に言われていますが、実際に周りを見てみるとまだまだ問題は山積です。私たちは、時代を超えて、少しでも貢献できたらと思っています。

エコな話し Vol-2「フローからストックへ」

エコノミーの観点では、最近の日本は100年住宅とか言われています。以前は30年程度で全面建て替えも良くあり、家が資産価値を生まない環境でした。床も同じで、フローリングに多くの傷や穴が残り、結局張り替えている状況です。

ですが、欧米ではしっかり手入れされた中古住宅は、資産価値が下がらない事も多くあり、日本も遅ればせながら、住宅による資産形成に乗り出したという所でしょうか。その様な価値がある住宅にする為には何が必要かと思いを巡らせた時、GROBのプランクフローリングは時を刻んでも自然な風合いが刻印として残り、資産価値の劣化を防ぐことが可能と思っています。是非一度お手に取ってみて下さい。その良さを実感して頂けると思います。